この湖はひっそりと存在している 奥まった森の中にぽっかりと存在している どんなに小さいこいしでも 投げ込まれた湖面は波立つもので どうしようもなく揺さぶられてしまう そのこいしが残していったものは大きかった 忘れかけていた湖の存在を声高に主張して そして沈んで消えていった しかしこいしが沈みきって底についても湖面の波紋は消えない 消えてくれない 消えてくれない