好き、は難しい。
白く波打つ温かなあまーいホットミルクが好き。すっぽり体を包んでくれるタータンチェックのブランケットが好き。古書堂で見つけた布張りの日焼けた本が好き。道端でよく会うにゃんこが好き。
全部、好き。
家族ぐるみの幼馴染も、ゼミで一緒のあの子も、美人なあの先生も。
みんな好き。
好きには種類があるらしいけれど、いまいちそれがわからない。どっちがより好きなのか、天秤はいつだってゆーらゆら。ゆれて震えて止まらない。ましてどっちかに勢いよく傾くなんて。
空気はすぐに泡になってぽこぽこはじけて消えていく。悩みだって一緒に消えちゃえばいいのに。
好きって言われて好きって返して、果たしてそれが同じ好きなのか。誰だったらわかってくれるんだろう。誰に聞いたら答えてくれるんだろう。そもそも誰が聞いてくれるんだろう。誰に聞いてもらえばいいんだろう。
止まらない泡。止まらない空気。
失い続けて生まれ続ける酸素みたいに悩みはぽこぽこはじけてく
うん、もう、わけわかんないから
消えちゃえ
うそです。
消えていい悩みと消えちゃいけない悩みがあるの。それでこれは後者だから消えないで。もうちょっと頑張って考えてみるよ。考えてみるけど、ヒントがほしい。ヒントをもってるあの子は赤ペン持っててくれるかな。
もしもこのまま疑問だけ書いて渡したら、赤ペンで書き足してくれるかな。